鍵の進化
紀元前2000年のはるか古代からそこに暮らす人々の暮らしの安全を支えてきた鍵。少しずつ進化を遂げていく鍵は、産業革命前後に大きな進化を遂げることになります。
中世ヨーロッパの時代になると、ウォード錠という鍵が暮らしの主流となります。しかし、この頃になっても鍵はまだあまり飛躍的な変化を見せていませんでした。
タンブラー錠は、そんな鍵の進化の中で大きな役割を果たしました。時代は18、19世紀に起こった産業革命時代の前後です。
タンブラー錠は、いくつか種類があり、時代の経過とともに少しずつ改良されていきます。
18世紀後半には、イギリスのロバート・バロンによって「レバータンブラー錠」が造られました。19世紀前半ごろに改良されたこのレバータンブラー錠は、不法解錠の防止や痕跡が判る構造となっており、実に画期的なものとして広まりました。
その後19世紀前半になり、アメリカの銀行錠製作者であったライナス・エールにより「ピンタンブラー錠」が製作されました。ピンタンブラー錠は、古代に使われていた鍵に使用されていた原理を用いたものでしたが、後世に開発されることになるピンシリンダーの機構の源となりました。ピンタンブラー錠は約150年以上が経った現代でも多くの地域で使用されています。